前言

 残念ながら,日本国内では、経口妊娠中絶薬RU486について,正しい情報と間違った情報が入り乱れているのが現状です。現在,日本の検索エンジンで「経口妊娠中絶薬」をキーワードに検索すると,最初に表示される情報何ページのうち,半分が産婦人科病院の宣伝で,残りは正しい情報と間違った情報が半々くらいを占めています。こんな状態では,いったい何を信じたらいいの?と思う人も多いことでしょう。そこで,このサイトでは、「経口妊娠中絶薬RU486」の危険性、安全性と違法性について,できるだけ正しく、客観的に説明してみます。


 まず、日本でこの薬の危険性について誤解が広まっているのは,厚生労働省や国民生活センターが「ネットで購入した経口妊娠中絶薬RU486は危険」だとの見解を示しているからです。しかし,これには裏があります。中国、欧米で使われている正規の医薬品は,非常に厳しく管理されているためネットショップで買うことはできません。ネットを通じて購入できる薬の一部が,怪しい業者のジェネリック医薬品で,薬としての精度が低かったり,失敗率が高かったりするものがあります。また,お金だけ取って送ってこないなどのトラブルもあるようです。つまり,経口妊娠中絶薬RU486自体が危険なのではありません。そこは誤解しないでください。又、産婦人科病院にとって、経口妊娠中絶薬処方に比べ、手術の方が50倍以上の利益ですから、客観的にミフェプリストンの安全性と危険性分析しないのは日本国内の現状です、あえて輿論を危険性と違法性に傾きます。


 安全性について,経口妊娠中絶薬RU486は,WHOの必須医薬品にも指定されている安全で確実な薬です。正しく使う限りは,とても安全な薬なのですが,アメリカで2000年に導入されてから,服用者が感染症によって死亡するという事故が若干数ありました。このことは特に中絶そのものに反対している勢力によって大きく取り上げられ,いったんはラベルに「警告」が貼られることになりました。ところが,事実関係が判明していくにつれ,結局はこの薬との関連性は薄いということが分かり,今ではアメリカで販売されているこの薬のラベルから,感染症を含み,この薬の危険性を警告する内容は全面的に削除されています。妊娠7週目までに行われる薬による中絶は、合併症のリスクがたいへん低く,女性が自然な流産をする時と全く変わりがありません。合併症の問題が生じても、産婦人科の治療で簡単に治ります。経口妊娠中絶薬RU486を服用した後で医師に診てもらったり,救急センターや病院に行かねばならなくなったりする確率は極めて低いです。一方、安全に出産できる国でも、1万人に1人の女性が出産時に亡くなっています。経口妊娠中絶薬RU486による中絶で亡くなる女性は10万人に1人未満であるため、薬による中絶は出産より安全であり、自然流産と同じぐらい程度です。つまり、経口妊娠中絶薬RU486薬自体は安全です。アメリカでミフェプリストンを用いて薬による中絶を行った8万人の女性のうち、感染症が報告されたのは10件でした。多くの医学的研究を検討した上で「経口妊娠中絶薬RU486による中絶の処方後の感染症は稀なケースで、46,400件以上の事例のうち1%以内で、中絶手術後の感染症の割合よりもかなり低いという結論に達しました。また、「経口妊娠中絶薬RU486による中絶後に感染症が報告される頻度(0.92%)は、中絶手術や出産の後に感染症が報告される頻度よりも低い」と述べています。


 一方,日本では違法性に問われるというのは事実です。日本では「母体保護法指定医」の産婦人科しか合法的に中絶を行えないことになっているからです。逆に言えば,母体保護法指定医の先生であれば,合法的に中絶薬を入手し,それを使って中絶を行うことができます。ただし,現在,この薬を使って中絶を行っている日本の産婦人科医はほとんどいません。国が承認していない薬なので,万が一の事故などがあった場合に,産婦人科個人が責任を負わされることになるためです。ただ,元々妊娠というのものは,そうと判明してからも1~2割は流産に終わるものです。(当人が妊娠に気付かないまま終わってしまうケースも入れれば,3分の1は流産に至るとも言われています。)実のところ,薬を飲んだから流産したのかどうか,本当のところは誰にも分からないでしょう。もしかしたら,もともと流産しかかっていたのであって,薬をのまなくても流れていたのかもしれませんから。その意味で,刑法で取り締まろうとしても立証はできません。しかし,日本ではそれが違法行為である限り,当サイトでは中絶薬を入手することをお勧めすることはできません。


 ただし、経済的の問題、宗教問題、手術への恐怖感...等から、本当は日本でも合法的に中絶薬を使えるようにすべきだと考えています。現行の中絶手術の内容もきちんと見直す必要があります。薬も手術も安全な方法が導入された上で,薬か手術かを女性たち自身が選べるようにすべきではないかと思います。